変革を実行していくためのガイドライン

変革プロセスはきわめて不確実であり,今まで見えなかったものが見えてくるプロセスだから,試行差誤を繰り返しながら個別の状況に合わせて最善の方法を見つけ出すことが必要となる.
 ここでは,順次ガイドラインを示していく.
1 リーダーシップを発揮する
 上級管理職のリーダーシップは,セルフデザインを行っていく間,きわめて重要な役割を果たす.彼らは組織を革新させていくことに対し権限を与えたり,より競争戦略を打ち出す企業に変身を遂げるために,重要な要素となるチーム活動を積極的にサポートする.手始めに自分たちのチーム活動を調査し改善を行う.一般社員が広く受けている教育にも関心を示す.経営者は教育の場面に定期的に顔を出し,参加者への期待を述べたり,質問に答えたりなど,実行部隊であるメンバーをしっかりとサポートしていかなければならない.
2 支援者を増やす
 非常に大きな変化の場合には,種々の活動を調整するプロジェクトリーダーを特別に任命することもある.このリーダーは効果的に管理していくためにかなりの社会的,政治的そして統合的なスキルを兼ね備えていなければならない.変革活動そのものを生み出すエネルギーと,それに対する支援についての関心を持続させることが必要とされる.この関心は,組織を活性化させていくための努力を理解し,支援してくれる人が十分に存在する場合に生まれてくるものである.彼らは意思決定に影響を与えたり,目的を達成することを手助けしたりするようなやり方をとっていく.したがって,こういったチームの編成は戦略的に行わなければならない.
3 変革プロセスの管理
 変革プロセスにおいてる,メンバーが十分な活動ができるようになるまで行動を評価し,その後の行動に影響を与えるようにしなけれはばならない.さらに,望ましい組織に対するメンバーのビジョンは,メンバーがそれについて学んだり,また,これまでイメージされることのなかった可能性に思いめぐらしながら,長時間にわたりより好ましい変化し,発展していかなければならない.

4 推進活動と学ぶことを一体化する
 メンバーは推進活動の進ちょく状況や活動内容に関するデータを収集するために,独自の方法を編み出さなければならない.つまり,全社的にレベルアップを図っていくためには,すべての組織単位が同じ方法で学んでいくということを考えれば,かなり重要なことである.
5 コミュニケーション
戦略的変革の実践の中では,すべての運営組織で,定期的にコミュニケーションを図るミーティングを行う.ミーティングにおいて,最新の変化事例報告が行われ,デザインチームのメンバーは,どのように実行プロセスが進行しているのか,どのように改善されたのかというような情報交換は,メンバーに実行に関する首尾一貫したストーリーを聞かせたり,表面に表れた利害関係を討論たり,実行段階を改善するためにアイデアを求めたり,また,変革をしていくために障害を取り除く活動的な姿勢をとるリーダーを激励したりなど,変革を支援し,改善する方法についてのアイデアを伝える機会を与えるものである.
6 動機づけ
 推進活動における好結果は,変革案の内容とメンバーの意欲の両方に依存している.
 変革やその結果についてのこういった期待に応えるような実行プロセスを作り上げなければならない.また,メンバーに対し実行できるためのスキルと役立つ情報を提供しなければならない.そしてこれらの成果を,メンバーが評価できる結果に直面結びつけるようにしなければならない.さらには主要な関係者が活動を支援し,進んで変革を行っている
ということを組織全体に知らせる必要もある.
7 活動を推進するグループの動機づけと責任
 実行チームはみずからの修正や実施についての責任を負う.そしてまた,そのことが当事者意識をもたせ,個別の状況に合った最適のものを生み出していくことにつながる.しかし,このやり方は,下位の実行チームが,企業全体が目指す方向から逸脱するかもしれないという多少のリスクを伴う.このように,より高いレベルのデザインチームは,下位の実行チームの努力を調整したり,進展を確実なものにしていく責任を持ち続けなければならない.また,実行チームは,より高いレベルのチームに対し,自分たちの活動を全社的なものへと整合させる責任がある.
組織の評価,反応,そして報酬システムは,報告義務を確立していく中で鍵となるツールである.
8 活動を強化するために柔軟に教育する
 教育は新しい組織デザインを実行していく中で重要なツールである.これにより,稼働の際に必要とされた協力や調整が強化された.この教育は協力することの必要性を強調するとともに,全体の効率をも考慮して行われた.
9 すべての場面において変革活動を優先させる
 変革活動は,状況によってかなり左右される.組織の中で変革活動は,ある程度成功を収め,その存在を認められているということを明らかにしていなければならない.間違いや失敗を非難して遠ざけるのではなく,その中から多くのものを学んでいくという姿勢が必要なのである.

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