人間の行動における満足基準
L.W.Porter と E.E.LawlerⅢ(1968) は,報酬に対して個人がもつ主観的な価値尺度と職務遂行によって得られると思われる個人的報酬についての期待との積によって,人々の努力が決まると仮定する.すなわち各人は,得られるであろう報酬に高い価値をみとめるほど,また努力すれば当報酬を得られる期待が大きいほど,より大きな努力を行なうとみなすのである.もっとも努力とそれに基づく成果とは,必ずしも一致しない.それは,個人の十分な能力と資質があるか,正しく自分の役割認知をしているかによっても左右される.この成果に応じて,報酬についての期待が影響を受ける.他方,そういった成果に対応して報酬が得られるが,それは内面的報酬=友情・他人にみとめられること,尊敬,自己実現等と,外面的報酬=賃金などF.Herzbergの衛生要因 (hygiene factor),人間の不満とりわけ職務に関連した不満を引き起こす要因に相当するものとから成り立っている.そしてHerzberg と同様,当該個人の満足に対しては外面的報酬よりも内面的報酬の方が重要と考える.それらは基本的には,労働者の行動は,彼が所与の結果(例えば,お金,責任,達成)にどの程度の価値をおいているかということと,熱心に働くとか仕事の質を改善するなどの行動のうち,どのような行動がその結果をもたらすと期待しているかの関数である,とする.(Vroom,1964,House,1971)
人間行動についての経験的研究結果を説明するために Homans(1961) は Skinner (1938)がオペラント (operant)と呼び,彼が「成功命題」(success proposition)を次のように述べている.
「人の行なうすべての行為に言えることだが,ある人のある特定の行為が報酬を受けることが多ければ多いほど,それだけその人はその行為を行なうことが多くなるであろう.」
成功命題が語っていることは次の事である.ある人がある行為をする理由がどうであれ,いったん現実にその行為が行なわれ,その行為が成功すると-その結果がその人にとって,正の価値(positive value)を持つなら- その時,その人はその行為を反復しがちである.知識ある観察者から見て,その成功がその行為によるのではなく,むしろ偶然のことであっても成功命題は有効である.
通常,私たちが人の満足や不満足について最初にどのようにして知るかと言えば,それは上機嫌の表出であれ,怒りの表出であれ,無言の行為によってよりむしろその人が受容した報酬について語ることによってである.Nancy Morse(1953)の議論によれば,第1に,二人が同じ報酬量で飽和(satiation)するとして,今一人がもう一人よりそれを多く得ている時,より多く得ている人はそれだけ多く満足するだろう.第2に,二人が異なる量の報酬で飽和するとして,今二人が同じ量の報酬を得ている時,飽和まで残すことの少ない人がそれだけ多く満足する.ある人がある報酬での飽和から遠く離れていればいるほど,それだけその報酬のどの単位もかれにとって価値がある(重要である)ということに注目してほしい.
人々が報酬として何を期待するかを問題とする時,私たちの先の仮定を修正しなければならない.ある報酬に対する満足の決定に重要なものは,その人を飽和させるものではなく,その人が期待するものである時,この仮定はそのような報酬には有効でないだろう.彼の報酬についての期待は,その報酬獲得での彼の過去の成功と彼が得るものと与えるものとの関係に左右される.彼の成功が変わるにつれ,遅かれ早かれ彼の期待も変わるだろう.
心理学者が欲求水準 (level of aspiration)とよぶものがある人の欲求水準を上昇させるのは,その人の報酬への欲求の増大ではなく,それを得ることでの成功の増大であることに注目してほしい.歴史家がしばしば認めるように,人々が苛酷な生活をしているという理由だけで革命することは非常に少ない.苛酷な生活後,ある期間豊かさの増大を経験し,それから,その増大が中断した時に革命が多く起こりがちである.その現象は「期待上昇の革命」(the revolution of rising expectations)とよばれている.
それから,ある報酬でのある人の満足と生産性 - は簡単化のために,三つの枢要な代替的選択肢のみに注目してみよう. (Simon & March,1958:50,51)
第1に,従業員はその組織を離れることができる.
第2に,従業員は組織の生産規範に順応することができる.
第3に,従業員は,生産を高めることなく,満足を得る機会を求めことができる.
もしある人の満足が彼の生産性という意味での行為に単純に影響を与えないなら,それは別の仕方でその行為に影響を及ぼすだろう.もしある人が他の人々の報酬と比較して期待以下の報酬しか得ていない時,その差異は,欲求不満-攻撃仮説 (frustration-aggression hypothesis, Miller and Dollard,1941)によって,その不公正源やその受益者(集団)に対して,その怒りや攻撃的行為を引き起こすであろうと述べられた.
ある集団のメンバーたちは自分たちが受けるべき報酬を比較のために選ばれる集団は準拠集団 (reference group)とよばれる(Merton,R.K.,
and Kitt, Alice S.,1950). (アメリカ1950年代は二次大戦中の戦士たち,召集猶予に関する意識調査のデータを evalution分析手法によって準拠集団理論を実証した).
一般的な規則とは,Merton と Kitt が指摘しているように「比較がそもそも起こるためには,その個人とその準拠集団との間での地位特性における何らかの類似が知覚されたり,想像されたりしなければならない」のである.すなわち,構成分配(distributive justice)の比較が,自分たち自身と疎遠で似ていない人 とよりも,ある側面で自分たちと親密で似ている人と自分を比較しがちである.
ここで人間が社会的交換で受けるものを所与ととり,そしてそれと調和させるために,その人が与えるものをどうするかと組織に向けての個人の意思決定の立場から論じようとするものである.これがいわゆる組織均衡(organizational equilibrium)の問題である.換言すれば,各参加者およびそのグループは,かれらが組織に与える貢献と引換えに,その組織から誘因 (incentive)を受け取る.組織がそこに所属する個人に組織の存続・発展を確保するように個人を誘導するための条件,すなわち組織の影響力(influence)を受容させるための条件を,明らかにするものである.
何が人を動機づけるのかということについて,ある人は生物学的な本能が行動に及ぼす影響について注目している(Barash,1977;Lorenz & Leyhausen,1973).ある人は一つの文化やその下位文化によっても異る幼少時に学習した動機と社会化の過程に注目している(Van Maanen & Schein,1978).さらにまたある人は,人々が職業選択と職業経歴の発達を人間の指向性(人々が仕事に関して持つ直接的な価値観や目標)に関係づける理論を展開した.(Hall,1976;Schein,1978;Osipow,1973;Holland,
1973;Roe,1956;Super & Bohn,1970)
それらは最終的には生物学的または社会的に学習した欲求と結びつけているかもしれないが,しかし個人によって,また年齢や発達段階によって大差があるに関係を寄せているからである.
人々は職業選択を行なうためにまず教育を選択し,そこで自分の興味や技量を発見する.こうした生涯を通じての過程を扱った最も広範なモデルはSuper & Bohn(1970)のそれであるが,彼らによれば,職業生活の発展とは,基本的にはその人の自己概念と外部環境の現実性との合成過程である.この過程を押し進めていく基本的動機は,自己概念 (self-concept)の実現である.すべての人は以下の6つの主要段階を通じて,職業上の(及びその他の)役割の中で自己概念を完成しようとする.
1 探索:幼児期および成人期における自己概念の発達.
2 現実の検証:学校から仕事への移行および初期の仕事体験.
3 試行と実験:転職による自己概念の完成の試み.
4 確立:職業生活中期における自己概念の完成と修正.
5 維持:自己概念完成の保全と継続.
6 下降:職業的役割の終了につづく自己概念の新たな適応.
発達理論の含意の一つは,一人の人が幼少期および青年期から持ち込む欲求,動機,価値観の様式は,初期の目標および選択過程への拘束となるが,その後は,その人は,常に自己概念の完成のために,内部の力と衝動を,外部の機会や拘束と結合する力動的な過程上にあり,またその自己概念そのものも新しい経験によって変化し成長する.ということである.(Schein,1980)
以上のような理論は,むしろ行動論的意思決定論(注 5-1)の基調にある人間行動の認知的側面を重視する傾向を生み出している.
Barnardは,「The Functions of the Executive」,1938,によって,組織のエッセンスは,調整と意思決定の過程にあると考え,その動的な動きの中に,組織・管理の姿を捉えようとした.
まず彼は,個人は,物的,生物的,社会的要因をもち,さらに心理的要因を含んでいる.そして複数の個人が協働する時,協働体系が生まれる.この協働体系は,日常われわれが経験する組織に近い.しかしそれ自体は多様なので,さらに協働体系の中核の下位体系である組織を認識することが必要である.こうして人々の活動-貢献,さらに諸力が意識的に調整された体系として組織が定義される.
そして各人は,二重のかかわり方を組織との間にもっている.一つは個人人格 (individal personality)といわれる面で,この場合,各人は理想や価値をもった一個の人格的存在として,特定の組織に提供する自分の活動,さらに貢献(contribution)と,組織から得られるであろう報酬としての誘因(incentive)とを比較考量しながら当該組織に参加ないし参加の継続を行なうか,それとも他の組織に移行するか,を決定する.この点,Barnard は,個人に2つの側面を与えることによって各人が,組織に主体的なかかわりをもちつつ,しかも時に組織を第三者的に対象化してみるといった形で,組織と個人との関係をたくみに表現することに成功している.
ところでこのような複合的組織の行動を,目的を主要基準にして展開される専門化,協働意欲確保のための管理者の行動を一般的に,意思決定ならびに機会選択の行動として確認する.
Simon は,「Administrative Behavior」,1945の中で,意思決定を,さらに意思決定前提を目的にかかわる価値前提と目的実現の方法にかかわる事実前提とにわける.そしてこのような意思決定前提が外的影響力(権限,助言,情報など)と内的影響力(能率,組織への一体化など)をもちながら,伝達を通して各意思決定者に流れていくとかんがえる. Simon は,環境要因,特に,行動の要因(非理性的要因を考慮する,「極限状況」における人間行動)を斟酌して,意思決定者は限られた合理性 (bounded rationality)下での行動として特徴づけられ, そして人々は基づいて行動する, 満足化基準(satisfycing criteria) と適応的理性システム (Adaptively Rational System)を見出すのである.経営組織は,個人と社会の適応体系として,意思決定者は人間の特性にもとづく,意思決定過程はコミュニケーション,一体感(a sense of identity),権威の容認(Acceptance Authority)を基礎として行なわれる.それだから,組織が,そのメンバーをして参加を継続させるように誘因し,労働者は組織を通じて共同決定した「満足的利潤」(satisfactory profits)を支持して努力するのである.
人間行動についての経験的研究結果を説明するために Homans(1961) は Skinner (1938)がオペラント (operant)と呼び,彼が「成功命題」(success proposition)を次のように述べている.
「人の行なうすべての行為に言えることだが,ある人のある特定の行為が報酬を受けることが多ければ多いほど,それだけその人はその行為を行なうことが多くなるであろう.」
成功命題が語っていることは次の事である.ある人がある行為をする理由がどうであれ,いったん現実にその行為が行なわれ,その行為が成功すると-その結果がその人にとって,正の価値(positive value)を持つなら- その時,その人はその行為を反復しがちである.知識ある観察者から見て,その成功がその行為によるのではなく,むしろ偶然のことであっても成功命題は有効である.
通常,私たちが人の満足や不満足について最初にどのようにして知るかと言えば,それは上機嫌の表出であれ,怒りの表出であれ,無言の行為によってよりむしろその人が受容した報酬について語ることによってである.Nancy Morse(1953)の議論によれば,第1に,二人が同じ報酬量で飽和(satiation)するとして,今一人がもう一人よりそれを多く得ている時,より多く得ている人はそれだけ多く満足するだろう.第2に,二人が異なる量の報酬で飽和するとして,今二人が同じ量の報酬を得ている時,飽和まで残すことの少ない人がそれだけ多く満足する.ある人がある報酬での飽和から遠く離れていればいるほど,それだけその報酬のどの単位もかれにとって価値がある(重要である)ということに注目してほしい.
人々が報酬として何を期待するかを問題とする時,私たちの先の仮定を修正しなければならない.ある報酬に対する満足の決定に重要なものは,その人を飽和させるものではなく,その人が期待するものである時,この仮定はそのような報酬には有効でないだろう.彼の報酬についての期待は,その報酬獲得での彼の過去の成功と彼が得るものと与えるものとの関係に左右される.彼の成功が変わるにつれ,遅かれ早かれ彼の期待も変わるだろう.
心理学者が欲求水準 (level of aspiration)とよぶものがある人の欲求水準を上昇させるのは,その人の報酬への欲求の増大ではなく,それを得ることでの成功の増大であることに注目してほしい.歴史家がしばしば認めるように,人々が苛酷な生活をしているという理由だけで革命することは非常に少ない.苛酷な生活後,ある期間豊かさの増大を経験し,それから,その増大が中断した時に革命が多く起こりがちである.その現象は「期待上昇の革命」(the revolution of rising expectations)とよばれている.
それから,ある報酬でのある人の満足と生産性 - は簡単化のために,三つの枢要な代替的選択肢のみに注目してみよう. (Simon & March,1958:50,51)
第1に,従業員はその組織を離れることができる.
第2に,従業員は組織の生産規範に順応することができる.
第3に,従業員は,生産を高めることなく,満足を得る機会を求めことができる.
もしある人の満足が彼の生産性という意味での行為に単純に影響を与えないなら,それは別の仕方でその行為に影響を及ぼすだろう.もしある人が他の人々の報酬と比較して期待以下の報酬しか得ていない時,その差異は,欲求不満-攻撃仮説 (frustration-aggression hypothesis, Miller and Dollard,1941)によって,その不公正源やその受益者(集団)に対して,その怒りや攻撃的行為を引き起こすであろうと述べられた.
ある集団のメンバーたちは自分たちが受けるべき報酬を比較のために選ばれる集団は準拠集団 (reference group)とよばれる(Merton,R.K.,
and Kitt, Alice S.,1950). (アメリカ1950年代は二次大戦中の戦士たち,召集猶予に関する意識調査のデータを evalution分析手法によって準拠集団理論を実証した).
一般的な規則とは,Merton と Kitt が指摘しているように「比較がそもそも起こるためには,その個人とその準拠集団との間での地位特性における何らかの類似が知覚されたり,想像されたりしなければならない」のである.すなわち,構成分配(distributive justice)の比較が,自分たち自身と疎遠で似ていない人 とよりも,ある側面で自分たちと親密で似ている人と自分を比較しがちである.
ここで人間が社会的交換で受けるものを所与ととり,そしてそれと調和させるために,その人が与えるものをどうするかと組織に向けての個人の意思決定の立場から論じようとするものである.これがいわゆる組織均衡(organizational equilibrium)の問題である.換言すれば,各参加者およびそのグループは,かれらが組織に与える貢献と引換えに,その組織から誘因 (incentive)を受け取る.組織がそこに所属する個人に組織の存続・発展を確保するように個人を誘導するための条件,すなわち組織の影響力(influence)を受容させるための条件を,明らかにするものである.
何が人を動機づけるのかということについて,ある人は生物学的な本能が行動に及ぼす影響について注目している(Barash,1977;Lorenz & Leyhausen,1973).ある人は一つの文化やその下位文化によっても異る幼少時に学習した動機と社会化の過程に注目している(Van Maanen & Schein,1978).さらにまたある人は,人々が職業選択と職業経歴の発達を人間の指向性(人々が仕事に関して持つ直接的な価値観や目標)に関係づける理論を展開した.(Hall,1976;Schein,1978;Osipow,1973;Holland,
1973;Roe,1956;Super & Bohn,1970)
それらは最終的には生物学的または社会的に学習した欲求と結びつけているかもしれないが,しかし個人によって,また年齢や発達段階によって大差があるに関係を寄せているからである.
人々は職業選択を行なうためにまず教育を選択し,そこで自分の興味や技量を発見する.こうした生涯を通じての過程を扱った最も広範なモデルはSuper & Bohn(1970)のそれであるが,彼らによれば,職業生活の発展とは,基本的にはその人の自己概念と外部環境の現実性との合成過程である.この過程を押し進めていく基本的動機は,自己概念 (self-concept)の実現である.すべての人は以下の6つの主要段階を通じて,職業上の(及びその他の)役割の中で自己概念を完成しようとする.
1 探索:幼児期および成人期における自己概念の発達.
2 現実の検証:学校から仕事への移行および初期の仕事体験.
3 試行と実験:転職による自己概念の完成の試み.
4 確立:職業生活中期における自己概念の完成と修正.
5 維持:自己概念完成の保全と継続.
6 下降:職業的役割の終了につづく自己概念の新たな適応.
発達理論の含意の一つは,一人の人が幼少期および青年期から持ち込む欲求,動機,価値観の様式は,初期の目標および選択過程への拘束となるが,その後は,その人は,常に自己概念の完成のために,内部の力と衝動を,外部の機会や拘束と結合する力動的な過程上にあり,またその自己概念そのものも新しい経験によって変化し成長する.ということである.(Schein,1980)
以上のような理論は,むしろ行動論的意思決定論(注 5-1)の基調にある人間行動の認知的側面を重視する傾向を生み出している.
Barnardは,「The Functions of the Executive」,1938,によって,組織のエッセンスは,調整と意思決定の過程にあると考え,その動的な動きの中に,組織・管理の姿を捉えようとした.
まず彼は,個人は,物的,生物的,社会的要因をもち,さらに心理的要因を含んでいる.そして複数の個人が協働する時,協働体系が生まれる.この協働体系は,日常われわれが経験する組織に近い.しかしそれ自体は多様なので,さらに協働体系の中核の下位体系である組織を認識することが必要である.こうして人々の活動-貢献,さらに諸力が意識的に調整された体系として組織が定義される.
そして各人は,二重のかかわり方を組織との間にもっている.一つは個人人格 (individal personality)といわれる面で,この場合,各人は理想や価値をもった一個の人格的存在として,特定の組織に提供する自分の活動,さらに貢献(contribution)と,組織から得られるであろう報酬としての誘因(incentive)とを比較考量しながら当該組織に参加ないし参加の継続を行なうか,それとも他の組織に移行するか,を決定する.この点,Barnard は,個人に2つの側面を与えることによって各人が,組織に主体的なかかわりをもちつつ,しかも時に組織を第三者的に対象化してみるといった形で,組織と個人との関係をたくみに表現することに成功している.
ところでこのような複合的組織の行動を,目的を主要基準にして展開される専門化,協働意欲確保のための管理者の行動を一般的に,意思決定ならびに機会選択の行動として確認する.
Simon は,「Administrative Behavior」,1945の中で,意思決定を,さらに意思決定前提を目的にかかわる価値前提と目的実現の方法にかかわる事実前提とにわける.そしてこのような意思決定前提が外的影響力(権限,助言,情報など)と内的影響力(能率,組織への一体化など)をもちながら,伝達を通して各意思決定者に流れていくとかんがえる. Simon は,環境要因,特に,行動の要因(非理性的要因を考慮する,「極限状況」における人間行動)を斟酌して,意思決定者は限られた合理性 (bounded rationality)下での行動として特徴づけられ, そして人々は基づいて行動する, 満足化基準(satisfycing criteria) と適応的理性システム (Adaptively Rational System)を見出すのである.経営組織は,個人と社会の適応体系として,意思決定者は人間の特性にもとづく,意思決定過程はコミュニケーション,一体感(a sense of identity),権威の容認(Acceptance Authority)を基礎として行なわれる.それだから,組織が,そのメンバーをして参加を継続させるように誘因し,労働者は組織を通じて共同決定した「満足的利潤」(satisfactory profits)を支持して努力するのである.
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