Science of Exchange

資源処理に関する構造とは第一に,この意味においての人的要素と物的要素との相互作用を含意している.第二に,複数の人的構成要素間の相互作用が含まれる.
このような相互作用に注目する時,後に述べる資源 (resources)の基本的特徴が理解しなければならない.
資源の共通的本義は「組織間,諸種の取引行為を行う際,相互間交換の内容」(Hall,R.H.,1982). 広義の資源は「あらゆる価値のある活動,
サービスまたは用品」(Cook,K.S.,1977). しかし,第一説は意味がやや狭いのである.なぜなら,資源はその価値の顕在は必ずしも取引によらない.しかも,現実には取引できない「価値のある資源」も存在している.それはカネで量れるものではないし,その上,資源の保有者も取引手段だけを用いて流通を促進するわけでもないのである.第二説は,意
味もまた広すぎるのである.ゆえに,折衷説は資源を「あらゆる価値のある具体的なものまたは無形的な思惟,それは組織間で相互交換(1)できる.不足を補う,需要をみたす,そして個別組織の使命を成し遂げれば,それは資源と呼ぶことにする.」(Saidel,J.R.,1991). したがって,資源とは:あらゆる価値のあるもの,主体組織間で交換できる,それは各主体組織に役立,しかも,その価値は取引ではなく,交換過程で
もっとも顕現できるのである.
一般的に,資源配分の主な問題は次である
1 資源は組織間で有効な運営の前提である.そこで,資源の量よりも潜在資源の開発及び有限資源の充分かつ有効な運用は重要なカギとなる.
2 資源管理戦略の策定,新しい方策の試み,確実の実行などは,資源稀少性に対して組織の挑戦的な課題であるとともに,成果や問題解決の処方でもある.
3 資源稀少性は相対的な問題である.稀少の程度は時間や空間の変化に影響され,また,組織の資源管理の度合,資源獲得の方式,外部需要の制御力,および資源の弾力性(代替程度)によって見出すことができる.
4 資源不足は組織の運営問題の充分要因ではないが,無視できない根源のひとつである.このように,組織が孤立状態で運用できる「人,もの,カネ,情報」のような経営資源は組織を支える基盤といえよう.
5 時間・空間の変化は構造上の各構成単位に衝撃を与え,変化を引き起こせるから,動態的パースベクティブから各単位間の関連性を把握しなければならない.
6 環境に対する有効な対応能力は組織の存在の正当化根拠である.だが,他組織からの支持を得るとともに,組織の自主性は維持しなければならない.このように,組織は契合的自主性 (embedded autonomy,Echeverri-Gewnt,J.1992) が必要である.つまり,組織は環境適応しながらも自組織の自由裁量権および戦略ドメンでの人的運用が適度なパワー
の均衡は保持しなければならないのである. (Pfeiffer and Salami,1978)
以上,資源の特性の基本的仮定は次である.第一に,組織が他組織に依存しているのは,他組織の供給する資源が自組織にとって重要性が高く,当組織以外に資源獲得が容易でないからである.逆に,その資源を使わなくでも,組織の能力や正常な運営に影響を及ばない,つまり,その資源は絶対的な排他性が持たない,かつ他の代替的資源は容易に獲得
できれば,その資源は相対的重要でないといえよう.第二に,資源提供者の一元化あるいは多元化はその影響力の強弱に及ぼす.もし,ひとつの資源は多元な提供者が存在すれば,それは独占でないかぎり,多元的競争により,資源の主導力も減少する.したがって,資源交換ネットワーク内,各別組織は多元の代替的資源が保有していれば,単一供給者への
依存程度も下がるのである(Cook,K.S.,1977).第三に,組織は他の組織の資源請求能力の大小も他組織への依存程度に影響している.すなわち,他組織との間で,折衝能力の不足,脅迫により資源獲得することができない場合は,他組織の制約を回避することはむずかしくなる.
こうして,資源価値の顕現は,交換性が重要なカギである.したがって,資源は類型や階層や重要性などによって分類することができる.また,組織内部.外部ともに資源を持っているのでこのような特徴を資源は組織運営の動態性,多様性,相互依存性に対して一つ研究のてかかりを与えてくれるのである.
(1)交換学 (catalectic)はいままで人間行為を取り扱う唯一の理論科学であるといわれたのである(Ludwig Von Mises,1962). Misses が彼の著作 Human Action,1949,p.3 に Catalectic という専門用語を次のように注釈した. The term "Catalectic" or the "Science of Exchange" was first used by Whately,of this book, Introductory
Lectures on Political Economy (London,1831),p.6
ところで,現代交換理論は多様な思想伝統から発端した,例えば功利主義経済学(utilitarian economics),機能人類学(functional anthropapology),衝突社会学(conflict sociology),行動心理学(behavior alpsychology) など,その結果,当代の交換理論家とその教祖との関連はとても混迷になるのである(Tburner,J.H.,1986).
功利主義経済学者(例えば,Adam Smith, David Ricardo, John
Stuart Mill, Jeremy Bent ham)は社会思想に貢献した諸著作の中で,共通の仮定は,自由と競争の市場の中に,人間は他人と取引あるいは交換する時,人間は理性的に最大の物質利益や効用を追求するのであると.
功利主義は人間は理性的であると仮定し,「人性法則」(laws of human nature)は演繹解釈システムの頂点におく,人間の間の交換関係も「理性的科学によって研究できると思い当たるのである.それゆえ,功利主義者は早期の物理科学理論や概念から定理や法則的ロジクを借用し,それらの命題は「経済人」(economic man)の定律から合理的に推定できると.
交換理論家はさまざまな社会交換理論に改造することを試してきた(例えば,James Coleman,1966). これらの改造は以下の各種の仮定にもとついている.
1 人は最大利潤を追求するではなく,ただ,彼らは他人と取引する時,通常はある種の利益を得ようと努めるだけである.
2 人間は完全な理性は持ってないが,しかし彼らは取引の中でコスト と利潤を計算することが確かである.
3 人間は選択できる完全な情報は持ってないが,すくなくとも,ある選択はコストの評価と利潤をもとついて選択できるのである.
4 人間の行動は通常は外律的であるが,彼らは依然として相互競争の取引からより多くの利潤を得ようと望んでいる.
5 人間は通常,取引の中から利潤を獲得しようと企てるが,しかし,交換関係に入ると自体の有する資源に制限されることがある.
以上の代替的仮定 (alternative assumptions)から,社会的コンテクストに応用するために,二点を加えておきたい.
6 社会の中で,人は明確に限定された市場のなかで経済的取引の参加が確かであるが,実際の社会的コンテクストの中でもっと普遍的な交換関係に比べれば,それはただの特例であるとする.
7 人間は確かに交換の中に物質の目標を追求しているが,しかし,彼らは同時に非物質的な資源,例えば,感情,サービス,情報などの流通や交換をしている. 以上,今日は功利主義の信条をふりかえて見ると,ただ交換理論の歴史遺産の一部にしか思えないのである.選択できるだけ利益を最大化、損失を最少に抑え、理性的科学によって研究できると思い当たるのである

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